退職給付債務計算【DBO計算(旧PBO計算)】、退職金・年金制度設計、企業年金資産運用など

企業年金・退職金に関する経営課題を解決するコンサルティング【IICパートナーズ】

新入社員向け:「確定拠出年金講座」(2)

実施にあたって意識した点/受講者の声と今後の課題

3.研修の実施にあたって意識した点

給与や賞与に関しては、採用時に会社側と社員側で相互に説明・確認を行い、また入社後も毎月明細で内容を確認することができるため、入社時に改めて説明する必要性はあまりないかもしれませんが、退職金に関しては採用時には詳しい説明は行われないのが一般的です。

したがって、DCの加入時教育というのはDCのことだけではなく会社の退職金制度全体について理解してもらう(会社が給与や賞与のほかにも従業員のために報酬を用意していることを知ってもらう)ための絶好の機会であり、DCを含めた退職金制度全体の概要や位置づけを説明しておくことが重要であると考えます。

一方で、現実的な問題として、年金や金融についての知識が乏しい社員にも、入社の翌月から始まる掛金の拠出に対して限られた時間の中で商品の配分割合を決めてもらわなければなりません。

写真:割合

そこで、新入社員向けの研修では
「退職金制度についての説明」
「運用商品の選択」

の2つにテーマを絞って説明を行うこととしました。

退職金制度についての説明に関しては、毎月目にすることになる給与明細を題材にすることで、毎月の掛金や前払い退職金との選択の仕組みについて、実際に自分が明細を受け取ったときに確認できるようにしました。

運用商品の選択に関しては、研修の時間内で投資の知識や各商品の内容について詳しく学ぶことには限界があるため、DC加入後にまずしなければならない配分指定書の記入にあたり、その書き方と、商品の選択に最低限必要と思われるについて事項について、“予行演習”を通じて理解してもらうようにしました。

運用モデルの提示にあたっては、運営管理機関から提示されたモデルに加えて、国の年金資金を運用しているGPIFで定められている基本構成割合等を示すことで、実例を参考にしながら選択できるように工夫しました。

また、新入社員という立場を考慮し、投資についてしっかり学んでからDCで投資を始めるのではなく、DCで投資を実践しながら投資について学んでいくというスタンスに立ち、安易に定期預金一辺倒の配分にしてしまうことのないように意識しました。


4.受講者の声

  • どういう配分でスタートするか考える時間になったので、研修内で配分を考える時間があり、有意義な時間でした。
  • 自分のDC資産の資産配分を決めるにあたって、GPIFの構成割合を改めて実感で知ることができた。市場の局面や投資選好のタイミングによっては、自分のポートフォリオの選択肢の一つになると思いました
  • 20~30代は、投資を勉強する時期として、積極的に勉強していく姿勢が求められるべきと思うが、では具体的にどのように勉強していったらいいのか、何らかのアドバイスがあるといいのだろうと思いました。
  • それぞれの商品について、もう少し細かく説明があると分かりやすいなと思いました。例えば、各商品の解約時の制約や手数料など。

5.今後に向けて

DCの研修では一方的な説明だけでなく、実際に自分で考えて手を動かす時間を設けることが、理解を深めるために重要であることが改めて実感できたので、これについては引き続き取り入れていきたいと考えています。

その一方で、加入時の研修で1つ1つの商品について詳しく説明する余裕はないため、どうしても消化不良になる部分が残ることは避けられません。

そうした部分について、2回目以降の継続教育でどのようにカバーしていくのかや、また自分で積極的に勉強したいという社員に対して、そのための材料や方法を示していくことも、社員の意識を高めるためには重要であると感じました。

今後は当社におけるDCの位置づけを踏まえ、会社としての社員教育についての方針を整理しつつ、継続教育を含めた教育メニュー全体の組み立てを検討していきたいと思います。