退職給付債務計算【DBO計算(旧PBO計算)】、退職金・年金制度設計、企業年金資産運用など

企業年金・退職金に関する経営課題を解決するコンサルティング【IICパートナーズ】

継続教育:「税金講座」

弊社 向井を先頭に取り組んでいる「従業員のセカンドライフを充実させるためのあらゆる支援」の一環として、個人に関係する税金について、研修を行いました。


研修テーマ
1 コンセプト
2 研修の流れと内容
3 受講者の声
4 講師の感想

1.コンセプト

(1) 説明内容は4月に入社した新入社員でも理解できるよう限定しました。
(研修当日がアクチュアリー講座のため、新入社員は外勤ということが判明し、参加者の方からすると物足りなかったかもしれません)。

(2) 研修はあくまできっかけであり、自分のことは自分で主体的に考えるという動機付けにしてもらいたいと考えました。

(3) 税金の計算例は出しませんでした。
(研修というとインプットの知識量が多い傾向にありますので、終わった後に、わかったというレベルに達しやすい中身にしました)。

2.研修の流れと内容

研修ではまず、「税金」とは何か?という本当に入り口から話を始めました。国税庁のホームページに税の学習コーナーというページがあります。

<参考>
国税庁 税の学習コーナー

税金は国税庁曰く、日本で生活する会費とされています。

その会費である税金のうち、会社員に関係する主に所得税(国税)と住民税(道府県民税と市町村民税)を研修で取り扱うこととしました。

所得税は弊社の社員であれば毎月、給与明細を確認すると給与から天引きされているということを説明し、所得税額が変わるのは所得税額を算出する前の天引き前の収入(額面ベース)が変動するためと説明しました。
補足として、所得税といっても収入の性質によって10つの所得に区分され弊社に勤務することで得る収入は給与所得である話をしました。

写真:源泉徴収票

次に、毎月の給与から天引きされる所得税を単純に12ヵ月分(12倍)しても年間の所得税とはならないという話をして年末調整の説明をしました。

理解を優先する為に、毎月の給与から天引きされる所得税の合計と給与所得の源泉徴収票に記載されている所得税額の差額が12月の給与計算の際に”キャッシュバック“されるという説明をしました。この時に盛り込んだポイントとしては、人事部門や総務部門が各社員に代わって確定申告をおこなってあげているという説明です。企業の年末調整というと人事部が自動的に行う印象をお持ちの方が多いですが、従業員数の多い会社様であれば添付書類を社員から集めるだけで苦労されていると思います。

同じ企業に勤務する社員がやってくれているということを研修の場で伝えることは縁の下の力持ち的な役割を持つ人事部門のアピールになるのではないかと研修を行いながら考えた次第です。

その後、キャッシュバックの対象となる支出(年末調整に考慮すると認められる支出)についての説明を行ってから、医療費控除と生命保険料控除の説明を行いました。 ただし、所得控除としてのインパクトは多くの医療費を支払った年度を除き、比較的少ないと思います。

写真:ふるさと納税

そこでふるさと納税の話をメインとして伝えるという話の流れですが、ふるさと納税なると住民税が切り離せませんので所得税の次に住民税の話をしました。

住民税は所得税が1月1日から12月31日までの期間の収入をもとに算出されることと異なり、6月1日から5月31日までの期間を計算の期間として算出します。

所得税の計算を行ってから、住民税は所得税の計算過程を参考にして算出されるということを説明しました。

そこで所得税と住民税の両方に効果がある制度として説明したのがふるさと納税です。ふるさと納税でどの位トクをするのかは“ふるさとチョイス”のページでシュミレーションするよう話をしました。

<参考>
ふるさとチョイス 控除額計算

最後に私のふるさと納税のやり方として、12月の給与明細とセットで源泉徴収票をもらったら、収入金額をはじめ、源泉徴収票に記載されている事項をふるさとチョイスのシュミレーションページに入力し、いくらふるさと納税をするといちばんトクをするのかを把握してからクレジットカードで12月末までに手続きをするということを説明しました。
*制度の目的とズレている感じもしますが、便利なのでここ数年はこのやり方でふるさと納税を活用してしまっています。

3.受講者の声

改善点としては総じて、具体的なケースやもっと深く知りたいという内容が多かったです。新入社員でもわかる内容に絞ったのですが、全社的には「簡単すぎる」といった内容だったようです。

一方で、良かった点としては税金のことは知らないと損な部分もあるので勉強していかなければならないと考えるきっかけになったという声もありました。

4.講師の感想

今回の研修はアクチュアリーをはじめ、総務・経理部門の方にも参加頂きました。
弊社は「退職金と企業年金の課題を解決する!」ことを事業としていますので、個人の税金の話についての時間を社員が共有するということはこれが初めてでした。

やってみた感想として社員全員が関係する税金というテーマは各社員の事前の知識や業務経験にかかわらず、意見の発信ができます。弊社はどうしても退職給付会計と企業年金関係法令に捉われざるをえないので、今後、通常業務とは直接的に関係のない各社員のテーマでの研修は知識レベルがある程度揃っているため“IICPっぽくない”感じが垣間見られるかもしれません。そういった意味では良いテーマだったと思います。

次回があれば企業年金の実務の社内共有を目的として「実例から考える企業年金・退職金の税務」というテーマで研修を行おうかと思います。