退職給付債務計算【DBO計算(旧PBO計算)】、退職金・年金制度設計、企業年金資産運用など

企業年金・退職金に関する経営課題を解決するコンサルティング【IICパートナーズ】

代表コラム

03 14

投稿者: nakamura
2018/03/14 13:00

連日、働き方改革関連法案や森友学園関連文書の書き換えをめぐり、またも本質から外れた議論で盛り上がり、時間を浪費する国会審議。

与野党が協力し、反面教師として「生産性向上の必要性」を我々国民に伝えようとしているのでしょうか。であればなかなか思慮深い。

不正の話は、専門性を備え、完全に独立した第三者機関が、スピーディに真相究明すべきことです(今回は、まったくスピーディでないところが気になりますが・・・)。
政治の生産性を上げるための政治家の働き方改革に期待したいところです。

 

 

【拡大する選択の自由】

 

1.さて、この働き方改革が進むにつれ、我々ビジネスマンの選択の自由が拡大していくことになります。

例えば、・・・・

・就業場所を選択する自由

・雇用形態(フリーランス、兼業、副業を含む)を選択する自由

・就業開始時刻を選択する自由

・就業時間数を選択する自由

 

2.また、人材不足感が強まり、売り手市場となっている昨今、以下のような選択の自由も拡大しています。

・転職先企業を選択する自由

・新卒就職先を選択する自由

・職種を選択する自由

 

3.そして、以前のような固定的なビジネスモデルではなく、顧客ニーズの変化に合わせて現場で臨機応変に対応することが求められ、現場への権限移譲を進めている企業も多いでしょう。

つまり、現場では次のような選択の自由が広がっているケースが多いのではないでしょうか。

・目的(又は目標)の達成のための手段を選択する自由

 

4.さらに、AIに限らず技術革新が進んでおり、以下のようなビジネス手法に関する選択の自由も拡大しています。

・(融資や出資だけでなく、)クラウドファンディングやICOなど、新たな資金調達手段を選択する自由

・(自己所有だけでなく、)カーシェアリング、シェアハウス、シェアサイクルなど、他者とのシェアを選択する自由

 

その他にも色々な場面で、選択の自由が広がっていますし、その傾向は、今後さらに加速する可能性が高いのではないでしょうか。

 

「自由」・・・・・私自身好きな言葉ですし、基本的には良いものだと思いますが、「光あれば影あり」です。厳しい面もあります。

それは、選択する自由があるがゆえに、自分が選択した結果、失敗すれば、それは自分の責任となるということです。

すなわち「自由と自己責任」。他人に責任を転嫁することはできません。

 

では、この選択の自由を、きっちり自分で使いこなし、成果を獲得するために必要なものは何でしょうか。

 

 

 

【自由度向上の中で成果獲得に必要なもの】

 

選択の自由を自分で使いこなし、成果を獲得するために必要なもの。特に必要なのは以下の(1)と(2)だと思います。

 

(1)主体性

(2)知見と判断力

 

≪ (1)自由な環境で求められる主体性

 

自己責任を負いたくないので、あえて選択の自由を放棄し、他人の意思に従って選択しようとする方もいるかもしれません。

例えば、「就職先の選択」や「結婚相手の選択」を親の意思に任せるようなケースです。

 

しかし、それでは、いずれ必ず直面するであろう困難な状況で、踏ん張りがきかないでしょう。

なぜなら、就職先や結婚相手を選択したのは実質的に親だからです。「困難が生じているのは親の責任であって自分の責任ではない・・・親が悪いんだ」、という心理になるのではないでしょうか。

 

そんな無責任な意識は行動にも現れ、困難な状況に立ち向かうことができず、より深刻になる悪循環に陥る可能性が高いと思います。

困難な状況に対してどれだけ前向きに取り組めるか」、によって結果は大きく変わるはずです。

 

 

 

 

≪ (2)自由な環境で求められる知見と判断力

 

選択肢が増え、自由になるほど、考慮すべき情報が増え、その情報を理解し、判断する力が求められます。

行動経済学的には「選択肢が増えるほど判断できなくなる」とされていますので、判断できず身動きが取れなくなる可能性も高まるでしょう。

 

よって、情報収集力、理解力、これらに基づく判断力を磨いていく必要があります。

とはいえ、個人でできることに限界があるでしょう。また、これらの能力を上げていくためにはかなりの時間がかかります。

 

この知見不足と判断力不足という課題を解消するための手段として、「専門知識と誠実性を持つプロフェッショナルの利用」が考えられます。

 

専門知識が必要であることは当然のこととして、誠実性がない場合は(その誠実ではない)専門家によるバイアスのかかったアドバイスに従い、本人にとって不適切な意思決定を行ってしまう危険性があります。

ざっくり表現するなら「だまされる危険性がある」ということです。AIJ事件などの投資詐欺事件をイメージすると分かりやすいかもしれません。

もちろん、誠実性を外部から判断することは困難です。「反社会的な行動がないか」という一般的な要素のほか、専門家自身に大きな利益や損失が生じないか、といった点にも注意が必要でしょう。

 

専門性が高い分野であればあるほど、アドバイス自体の適正性を本人が判断することも難しくなりますので、

「誠実性の有無」、あるいは、これに影響を与える「利益相反関係の有無や程度」に注目することがリスク回避の重要な手段となるでしょう。

 

 

 

【おわりに】

 

「主体性」および「知見と判断力」を得て、拡大していく選択の自由を有効活用し、より大きな成果を上げることを実現していきたいものです。

 

なお、働き方改革の目的の一つとして、「生産性の向上」があります。この(労働)生産性の定義はいろいろありますが、代表的な定義は「労働者が1時間で生み出す成果」です。

 

専門家の効果的な活用は、成果の拡大という面だけでなく、労働時間の削減という意味でも、生産性の向上につながるのではないでしょうか。

中村 淳一郎

Tags: