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資料室

「学ぶ」退職給付会計(IFRS編)

IFRSにおける退職給付会計及びこれに関連するテーマについて「学ぶ」コーナーです。基本的な内容から実務に関する内容まで、幅広く学ぶことができます。

日本基準改正‐各論5 割引率の見直し

割引率の見直し

割引率については、2008年7月における退職給付会計基準の改正により、過去平均債券利回りによる割引率の設定を禁止し、期末時点の債券利回りを使用するIFRSとの差異を解消しましたが、「割引率の基礎となる期間」についてはIFRSとの差異として残っていたため、これを解消すべく、本公開草案において以下の改正が提案されています。

改正前会計基準等における割引率の取扱い(退職給付会計実務指針第11項)

「割引率の基礎となる期間」について、以下のように定められている。

  • 原則:退職給付の見込支払日までの平均期間(≒平均残存勤務期間+平均年金支給期間)
  • 容認:平均残存勤務期間に近似した年数
本公開草案における割引率の取扱い(本適用指針案第24項)
  • 原則:給付見込期間(退職給付の見込支払日までの期間)ごとに設定された複数の割引率
  • 容認:給付見込期間および退職給付の金額を反映した単一の加重平均割引率
改正理由(本適用指針案第96項)
  • IFRSとの差異を解消するため
  • より正確な退職給付債務を算定するには、給付見込期間と整合する残存期間の債券利回りに基づき、給付見込期間ごとの割引率を設定すべきであるため
「給付見込期間ごとに設定された複数の割引率」による退職給付債務の計算イメージ

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  • 割引率A...30年に相当する利回りによる割引現在価値計算を実施
  • 割引率B...29年に相当する利回りによる割引現在価値計算を実施
  • 割引率C...28年に相当する利回りによる割引現在価値計算を実施
退職給付債務への影響

この改正に伴い、割引率が変化することになりますが、割引率がどの程度上昇(又は低下)することにより、どの程度退職給付債務が減少(又は増加)するかは、退職給付制度の内容、人員構成、割引率設定指標として使用している債券の種類(AA 格社債、国債等)及び当該債券の利回り曲線の形状、さらには予想昇給率や予定再評価率との関係で決まりますので、一概には判断できません。

例えば、年金制度を持っており、一時金選択率がゼロに近く、これまで平均残存勤務期間のみ用いて割引率を設定していたようなケースでは、改正に伴い割引率が上昇し、退職給付債務が減少する可能性が高いと言えますが、実際に退職給付債務のシミュレーション計算を行う必要があります。

会計方針の変更による影響額の取扱い

各論4「期間帰属方法の見直し」のケースと同じ取扱いとなります(本適用指針案第68項)。

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