IFRSにおける退職給付会計及びこれに関連するテーマについて「学ぶ」コーナーです。基本的な内容から実務に関する内容まで、幅広く学ぶことができます。
日本基準改正‐各論6 昇給率の見直し
昇給率の見直し
退職給付債務の計算基礎率の一つである昇給率について、改正前会計基準等では、確実に見込まれる昇給を見込むとしていますが、本公開草案では、予想される昇給を原則として全て見込むとしています。
改正前会計基準等における昇給率の取扱い(退職給付会計実務指針第16項)
- 退職給付見込額の見積りにおいて合理的に見込まれる変動要因には確実に見込まれる昇給等が含まれる
- 将来における給与水準の変動(ベースアップ)は、確実かつ合理的に推定できる場合以外は、予定昇給率の算定には含めない
本公開草案における昇給率の取扱い
- 退職給付見込額の見積りにおいて合理的に見込まれる変動要因には確実に見込まれる昇給等に限定せず、予想される昇給等が含まれるものとする(本会計基準案第54項)
- 将来における給与水準の変動(ベースアップ)は、確実かつ合理的に推定できる場合に限定せず、予想昇給率の算定に含める(本適用指針案第28項、第100項)
改正理由(本会計基準案第54項)
- 割引率など他の基礎率は確実な要因に限定していないにも拘らず、昇給率だけ確実な要因に限定しており整合性が取れていないため
- IFRS では確実な要因に限定しておらず、IFRSとの差異になっているため
退職給付債務への影響
この改正に伴い、今まで見込んでいなかったベースアップ等を織り込み、昇給率が上昇することが考えられます。その場合、退職給付見込額が上昇し、これを期間配分した後、現在価値に直した金額である退職給付債務も増加することになります。
但し、昨今の経済環境下では、一般的にベースアップの発生が予想しにくい状況ですので、改正に伴う影響は僅少になると考えられます。
会計方針の変更による影響額の取扱い
各論4「期間帰属方法の見直し」のケースと同じ取扱いとなります(本適用指針案第68項)。



























