退職給付債務計算【DBO計算(旧PBO計算)】、退職金・年金制度設計、企業年金資産運用など

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代表コラム

10 24

投稿者: nakamura
2017/10/24 13:00

今回の衆議院総選挙では、与野党仲良く、『財政再建の曖昧化』 という点で意気投合していた、と感じましたが皆さんいかがでしょうか。     

そして、お互いの失策という援護射撃を仲良く撃ち合い、最も効果的だった緑色の援護射撃をうまく活用した与党が圧勝、という景色に見えました。   

       

日本に限らず、世界的にも、短期的あるいは近視眼的な耳障りの良い主張や政策が支持される傾向があるように思います。   

       

与野党問わず、日本に限らず、短期思考の政治家を非難したくなりますが、そんな政治家を生んでいるのは、我々国民です。 

我々国民、いや私自身が短期思考に陥っていないか、反省の意味で、長期思考の重要性について考えてみたいと思います。   

       

       

【なぜ人間は短期思考になりがちなのか?】    

そもそも、なぜ我々人間は短期思考になりがちなのでしょうか。     

私は大きく以下2つの理由があると思います。     

       

①将来の利益よりも、目の前の利益の方が、大きな価値を感じてしまう       

②人間本来の弱さ(忍耐力の乏しさ)     

       

①は、最近よく行動経済学絡みの話で出てきますのでご存じの方も多いでしょう。目の前の利益が大きく見えてしまう・・・・確かに私もつい・・・オンラインショッピングは危険です(笑)。  

これは現在バイアスと呼ばれる一種の過大評価ですので、大きく見え過ぎている目先の利益を、意識的に小さく評価するよう心がける必要があります。       

       

②については、常々私は、人間が「生まれながらにして善い行いをする存在(性善説)」でも、「悪い行いをする存在(性悪説)」でもなく、「弱い存在」だと思っています。性弱説とでも呼びましょう。       

意志の弱さゆえに、長い時間待つことができず、目の前の誘惑に負けてしまう。そんな意志の弱さ(又は忍耐力の低さ)を改善するには、運動などの習慣が効果的(*1)だそうです。ご参考まで。   

(*1)「lifehacker」参照

(⇒ https://www.lifehacker.jp/2013/06/130612habit_formation.html ) 

       

       

       

【長期思考の重要性】 

では、短期思考は本当に良くないのでしょうか?   

短期思考による失敗例を見てみましょう。 

       

<短期思考による失敗例>       

       

《①選挙活動》 

短期的に票をとるために、国民受けする政策ばかりを公約に掲げ、幸福度が高く持続可能な国家創りのための痛みの伴う政策を後回しにしてしまうケース。     

(例:財政再建を後回しにした歳出拡大政策など。)

       

企業決算の赤字と質が異なるとは言え、国家の財政赤字が続く状態を放置していれば、結果として将来世代の負担が大きくなることは避けられないでしょう。   

 

もし仮に、国民の国家財政に関する将来不安が消費活動の低迷理由の一つなのであれば、この不安を取り除くために財政再建を強力に進める必要があることを国民に丁寧に説明し、税収増ないし歳出削減計画を精緻かつ丁寧に説明すべきでしょう。     

       

あるいは国の財政赤字が、実は、将来的にも問題ないということであれば、それを公的な場でオープンかつ大々的に証明し、分かりやすく説明して不安を取り除く必要があるでしょう。   

       

《②人材育成、教育》   

子供や若手から「面倒なこと、負荷のかかること、興味のないことは避けたいという要望」を、嫌われたくないために、無分別に許可してしまうケース。 

(例:子供や若手の目的達成に必要な体験や仕事を、気乗りしないだけの理由で見送ること。)  

       

もし仮に、子供や若手本人の目的達成や成長のために、必要な体験や仕事であれば、それを避けることは本人の成長等にマイナスです。       

彼らにそれを伝えつつ、実行に向けてフォローすべきでしょう。     

       

例えば、コピーの依頼一つであっても、依頼者のニーズを深く把握して、依頼者の期待を超えるような仕事の進め方をすることを学ぶことができます。 

 

依頼者は、「どんな目的でこの資料を使うのか」、「普段の資料ファイリングの方法はどのようなものか」、「紙よりも電子ファイルでの保存の方が良いのか」、「依頼者のオーダーした方法よりも良い方法がないのか」、「他人がやっている効率的なファイリング方法を提案してはどうか」、など考えることはたくさんあります。    

       

そして、そのニーズを聞き出すための効果的な質問の方法や人間関係の構築方法、依頼者の仕事を観察・把握・分析する視点など、いろいろ学ぶことがあります。       

 

これらのスキルは、例えば、お客さまに対するサービスにも間違いなく役に立ちます。 

       

できる人材であれば、言われなくても自分で考えて、仕事の意義を見出し、工夫し、学べると思いますが、そうでないケースはフォローが必要でしょう。

       

長期的な目的達成や成長のために必要なことであれば、必要に応じて説明しつつ、どんどん体験させることが大事ではないでしょうか。       

       

       

一方、長期思考は絶対に正しいのでしょうか?デメリットはないのでしょうか?       

       

       

【長期思考の落とし穴】

長期思考の結果、環境変化に対してスピーディに対応できなければ、長期的な成長・利益も得られなくなってしまいます。       

このような悪い長期思考にならないよう注意すべきだと思います。   

       

悪い長期思考・・・重要な環境変化を無視して、ひたすら過去に作成した長期の戦略・計画を継続する思考     

       

良い長期思考・・・重要な環境変化を踏まえ、現時点で長期的な成功が実現できるよう長期の戦略・計画を柔軟かつスピーディに変更する思考       

       

<例> 

・自分の本当にやりたいことや目標が新たに見つかったにも拘わらず、過去に決めた目標にこだわってしまう。 ⇒ 本当にやりとげたい新目標をめざすべき。   

・重要な環境変化が生じているにも拘わらず、過去に決めた中長期計画にこだわってしまう。 ⇒中長期計画を見直すべき。 

       

       

【おわりに】    

弊社としては、退職金・企業年金という、長期のスパンで従業員のライフプランを通じて企業経営に貢献する仕組みをサポートしていますので、この長期思考が非常に重要です。 

       

目先の利益に惑わされ、企業経営が持続不能となり、長期的なサポートができなくなるようでは、大事な役割は果たせません。

       

これまでも様々な誘惑がありましたが、これからも今後も、それらに近視眼的に飛びつくことなく、長期的な成長につなげる視点での挑戦を続けていきたいと思います。 

       

次のフレーズは、弊社のValue(価値観・行動指針)の一つです。この考え方を、お客さま、アライアンスパートナー、社内メンバーについて、常に意識して、経営に取り組んでいきます。 

       

相手の長期的な幸福を考える』    

 

もし仮に、これを実践できていないようなことがあれば、ご指摘頂ければ幸いです。

中村 淳一郎

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